tk's diary

2023年8月上旬の日記

tkです。何か大きなネタがあるというわけではないのですが、ブログを書きたくなったのでこの記事を書きました。ただの日記ですが、本来ブログってそういうものなので、まあ良いんじゃないでしょうか(自己肯定)。

というわけで、あまり纏まりはありませんが、以下につらつらと書き連ねておきます。

これは最近食べたトンカツの定食(この後めちゃくちゃ胃もたれした)。

 

職場の一般向けイベントに案内兼解説役として参加した話

先日(平日)、職場で一般の家族連れ向けのイベントが開催されました。内容としては、部署ごとにブースに分かれ、各自のブースでコンテンツを用意し、家族連れに学びながらコンテンツを楽しんでもらう、というものです。学術寄りの文化祭、というイメージですかね。

私はそのイベントに案内兼解説役として駆り出され、立ちっぱなしで、来場者相手にコンテンツの案内をしたり解説したり質問に答えたりしました。普段の仕事はず~っと椅子に座って黙々とPCに向き合っていますので、かなり新鮮でした。

開催前までは、平日にこんな真面目なイベントに皆来るのか? という疑念があったのですが、蓋を開けてみればイベントは盛況で、多くの家族連れが来場されました。夏休み中で暇な子供をこういう教育的なイベントに連れて行きたいという親心でしょうか。

客層としても、知的好奇心が強い家族連れが多く、子供よりむしろ親からの質問の方が多かったような印象があります。将来有望そうな子供もたくさん来ていました。

また、総合の授業の一環とか何とかで、中学生の集団からインタビューを受けたりもしました。やはり最近はそういう課外授業に力を入れているのでしょうか? 一応教員免許は持っているのですが、よく分かりません(無知)。

ところで、子供はこういうイベントに連れて来られるくらい親からしっかり教育を受けている(と思われる)わけですが、知的階級の再生産と言いますか、遺伝的な要因だけではなく環境的な要因によっても子は親に似てきそうだなということをしみじみと思いました。

私の実家はお世辞にも知的階級とは言えないですし、子供の頃の私がこういうイベントに連れて来られることもなかったので、そういうことを思うわけです。

何かかなり脱線してしましたが、この日はそんなことをぼんやりと考えながら、とても疲れた身体で帰路に着いたことを覚えています。

 

アレクサの運用についての話

前回の記事でアレクサを買ったということを書きましたが、やはり今も重宝しており、我が家の生活になくてはならないものになりました。

タイマーを起動したり、音楽やニュースを流したり、今日の予定(Google カレンダー)を確認したりとハンズフリーで色々できるアレクサですが、もう一歩踏み込んだ使い方として、喋ったことを Google ToDo リストに追加できるというものがあります。

これはアレクサの標準機能にはないのですが、GAS(Google Apps Script) と IFTTT というものを使うと実装できます。スクリプトは、ネットに落ちていたものをコピペして、適当に必要そうな部分だけ書き換えて実装しました。

思ったことを思ったときにメモしておけるのはとても便利で、これで何かしらを忘れて困ってしまった、みたいなことが減ることを期待できます。

そんな風にベタ褒めしているアレクサですが、不満もあり、やはり音声認識の精度は完璧ではないな、と感じます。

例えば、『凋叶棕(ティアオイエツォン)』という東方アレンジのサークルが Amazon Music に入っているのですが、「凋叶棕(ティアオイエツォン)の楽曲を流して」と言っても目当ての曲を再生してくれません。アレクサはこのサークルの読みを『凋叶棕(ちょうかのうしゅ)』と認識している為です(分からんでもないですが)。

また、一部のアーティストについては、「(アーティスト名)の楽曲を流して」とアレクサが認識している通り正確に言っても中々目当ての曲を再生してくれなかったりします。

ここらへんは不満点ですが、音声認識は技術的に難しそうというのは素人の私にも何となく分かりますので仕方ありません(特に日本語は言語の構造がかなり難しそう)。

というわけで、音声認識の技術の発展が待たれるところですが、こういう分野は世界中のIT企業が有り余る資金を(それこそ日本の学術研究の予算とは桁違いに)使って競争していると思いますので、いずれ達成されるのでしょう。

今は Chat GPT などの大規模言語モデルが隆盛を極めていますが、いずれ音声のみでAIと会話できる時代も来ると良いですねぇ。

 

アニメの収益構造についての話

2023年の春アニメに『【推しの子】』というアニメがありました。このアニメは私も視聴していて、2023年春アニメで最も面白いアニメだったと前回の記事で絶賛していたところです。

さて、このアニメなんですが、第1話が劇場で先行上映されていたという話をつい最近(今更)知りました。この第1話は長さが80分以上とアニメとしては異例の長さであり、お話の都合上そうなっているのですが、なるほど、(お話の内容的にも)劇場で流すにはピッタリだなと思いました。

『【推しの子】』のアニメの作画が良かった理由の一つも先行上映にあるのではないかと個人的に推測しています。巷には作画手抜きアニメが溢れていて、その原因には予算が少ないことがありますが、先行劇場だと事前にある程度の集金を見込める為、作画にお金をかけられるのではないかと個人的には思っています。

ちなみにですが、(前回の記事で書いた)先日私が映画館に観に行った『五等分の花嫁∽』もアニメの先行上映になります。

こういうアニメをみると、アニメにも収益構造の変化が求められているのかもしれないなと思います。今まで、アニメの収益は円盤の売り上げが大きいと言われてきましたが、この現代に円盤が売れるとはとても思えません。収益構造の変化の一つが、「先行上映で収益を得る」なのかなと思いました。

制作側としては収益を見込めますし、オタクとしては作画が良くなるので、Win-Win じゃないでしょうか。

まあ、もしかしたらっまったく的外れなことを書いているかもしれませんが……

 

さて、今回はこの辺で。いつも駄文にお付き合いくださり、ありがとうございます。

2023年7月、誕生日と最近の日記

tkです。今回の記事は2本立てです。

 

2023年の誕生日

今月26日に29歳になりました。

20代(年齢の十の位が2)最後の年ですね。20代最後の抱負は……とか何とか言えれば良いのでしょうけど、意識が高いわけでもないですし、日々生きるのに精一杯なので、そういうことは言えそうにもありません。まあ、日々をなるべく楽しく過ごせれば良いのではないでしょうか(他人事)。

さて、誕生日どう過ごしたか、書くべきところを書いておきます。この日は有給休暇を使って妻と2人で東京に行ってきました。土日に東京に行くとゲロ混みですし、千葉県民になってからマイルドヤンキー化して地元からあまり出なくなった為、こういう機会を利用して東京を楽しもうという魂胆です。

お出かけということで、いつも通りカフェモーニングをしました。今日のカフェモーニングはロイヤルホストです。ロイヤルホストはカフェではなくファミレスですが、比較的高級帯のファミレスで雰囲気が良く、モーニングメニューも充実しています。

ロイヤルホストのモーニング(ドリンクバーも付けてます)

フレンチトーストでハム・チーズを挟むという何とも贅沢な感じです。サラダも、適当に葉っぱを詰めましたという感じではなく、色々な品目が入っています。

写真には載せていませんが飲み物も良い感じで、ドリンクバーですがバンホーテンのココアが楽しめます。ドリンクバーというと質の良くない飲み物しか出てこないイメージがありますが、ここのドリンクバーココアは美味しいです。ココアはバンホーテンのものを使用したのかな?(UDK)

店内の雰囲気はこんな感じ。良い感じです。

ロイヤルホスト店内の雰囲気①

ロイヤルホスト店内の雰囲気②

このようにロイヤルホストは全体的にかなり良い感じなのですが、値段がお高めなのが欠点です。しっかりと誕生月クーポン(20%割引)を使って会計し、店を後にします。

次に行ったのは某神社です。大学時代から今に至るまで何かと縁のある神社ですね。千葉県民になってからあまり参拝できていなかったので、参拝します。

神社(Twitter の写真1枚目)

平日なので人気も少なく、犬の散歩で歩いている有閑階級マダムとか、そんな感じの人しかいません。ほのぼの神社ですね。今日も良い天気☆という感じで……暑い!!! 良い天気過ぎる!!!

この日も最近の例に漏れずファッキンホット(死語)で、外を20分程度歩いただけでバテバテになりました。宮古島より暑いです。宮古島は日射が殺人的にエグいだけで、離島なので気温としてはそんなに高くないんですよね。特に橋を渡っていた時は非常に涼しかったことを覚えています(2022/8/11の記事を参照)。

バテバテになりながら東京を見て回ります。渋谷で開催されている高田村ポップアップストアにも行きました。知らない人向けにざっくり説明すると、Youtube 配信者の集まりみたいなのを想像すれば間違っていません。

高田村ポップアップストア

高田村展示パネル(Twitter の写真2枚目)

今回は第2弾ですね。第1弾のポップアップストアの時はコロナ禍真っ最中ということで先着順・抽選入場でしたが、今回はフリー入場。土日は混雑していそうなので、平日に来られて良かったです。客層は女性が殆どでした。Vtuber は男性、配信者は女性、という感じでオタクの住み分けがなされているんでしょうか?

お次は秋葉原に行きます。アニメイトで『推しの子』のフェアをやっており、1階層まるまる『推しの子』のスペースになっています。写真は撮れませんでしたが、色々な展示がされていました。

『推しの子』展示パネル(Twitter の写真3枚目)

個人的な感想ですが、『推しの子』は2023年春アニメで最も面白かった作品だと思いました。有馬かなさんが好きなオタクは多いのではないでしょうか。続きが気になりますが、アニメで観て映える作品だと思うので、原作は読まず2期を待つことにします。

ここに来て驚いたのは、結構小さい子も来ていたことです。本作品は青年誌に掲載されている作品で、(真面目じゃないので)ゾーニング云々とかは言うつもりはありませんが、小さい子が観て理解できるのかは疑問です。まあ、楽しめているなら何でも良いのですが。

最後は、秋葉原アトレの『五等分の花嫁∽』特設ショップです。

『五等分の花嫁』展示パネル(Twitter の写真4枚目)

アトレ外窓の展示

ニチャァ……(キモ・オタク・スマイル)

『五等分の花嫁∽』については後述しますが、原作は結構前に完結しているにも関わらず(2020年12月完結)、こういう風に表舞台に立つコンテンツというのは凄いですよね。昨今は流行りものの寿命って本当に短いですし。多分(自分のような)キモ・オタクからの根強い人気があるのだと思います。

まあそんなこんなで1日を終えたわけですが……疲れた!!! 実は1日の間に結構移動しており、この暑い中の移動でかなり疲れました。暑い外と寒い室内を行き来してるのが身体に負担になっているのかもしれません。かなり疲れはしましたが、楽しく誕生日を過ごすことができたので、そこは良かったと思います。

 

最近の日記

最近日々があっという間に過ぎていく気がします。慌ただしい日々が続き、季節の変わり目(いきなり暑くなったこと)ということもあり身体が疲れています。もう少しゆとりを持って過ごしたいところです。

最近は毎週末に映画を観に行っています(あまり遠出する体力がないというのもあり)。職場の福利厚生で、700~800円程度で映画が観られるのは嬉しいところです(年度内回数制限あり)。

ジブリ最新作『君たちはどう生きるか』は理解に苦しむ作品だったと言わざるを得ません。面白いとかつまらないとかではなく、話が最初から最後までよく分かりませんでした。私の頭が悪いのかと思いましたが、ネットを見る限り大半の人から不評なので、そういうことなんだと思います。まあこうやってネタにも昇華できましたし、ジブリを映画館に観に行くという実績解放をしたので良いということにしましょう。

theater.toho.co.jp

ジブリ映画という順張りの中の順張りで失敗したので、キモオタクはキモオタクらしくキモオタク映画を観に行こうと『五等分の花嫁∽』も観に行きました(上の方に書いた通り秋葉原アトレで宣伝されていたやつです)。原作既読でお話は分かっているので、純粋にアニメーションを観に行った感じです。お話としては、アニメ2期~劇場版(五つ子ゲームファイナル)の間の時間軸で、アニメでやってなかったエピソードを五つ子全員に焦点を当てつつ描いた作品になっています。何とは言いませんが四女が好きです。

本作品はアニメの先行上映という位置付けで、アニメでも同じ映像を流すっぽいので、映画館まで行く気力がない方はそちらでどうぞ(宣伝)。

www.tbs.co.jp

また、在宅時間を充実させる為、つい先日に我が家にアレクサを導入しました。買ったのは Amazon Echo dot with clock(第4世代)です。

Amazon Echo dot with clock(第4世代)

何で最新の第5世代じゃないんだよという声が聞こえてきそうですが、プライムデー終了後の今、Amazon で第5世代の新品を買う気が起きず、メルカリでほぼ新品の第4世代がかなり安く売られていた為こちらを購入しました。音質もそこまで気にしないので……

Amazon Echo dot は所謂スマートスピーカーで、声で色々と操作ができます。これが使いだすととても便利で便利で……。

私は眼の病気で1日に何回も点眼を行わなくてはならず、5分の時間を計りたいときがよくあります(基本的に点眼と点眼の間は5分以上間をあけなけといけません)。そういう時に「アレクサ、5分」とか言うと5分計ってくれます。点眼直後で眼を瞑っている時も、「アレクサ、今日のニュース」とか言うとニュース音声が流れ、眼を瞑っていても耳から情報を得ることができます。

また、音楽も充実しており、Prime Music や Amazon Music Unlimited といった Amazon の音楽のサブスクに加入してさえいれば、アーティスト名とか曲名とかを言えば概ね希望の音楽を流してくれます。プライム会員のおまけとして付属してくる Prime Music だと制限があり、Amazon Music Unlimited の方が強いので、早速 Amazon Music Unlimited に加入しました(3ヶ月無料体験加入)。東方原曲も(全てではありませんが)入っており便利です。人はこうやって Google とか Amazon とかのサービスに生活を依存していくのですね。

ところで、アレクサを使っていると、全盲だった祖父を思い出します。全盲の祖父は音声で時間を知らせる電波時計を持っていたのですが、アレクサなら「アレクサ、今の時間は?」と聞けば教えてくれます。声をかければ反応するので、ボタンを押さないと反応しない音声付き電波時計よりも遥かに便利です。こういう視覚に依存しないデバイスというのはとてもありがたいですね。

 

今回はこの辺で筆を置きたいと思います。次の記事でお会いしましょう。

2023年7月1日~4日 福岡・佐賀旅行

tkです。ここ最近はもう暑くて暑くて、今年も夏がやってきたのだなあ(詠嘆)となる時分ですね。汗っかきには辛い……

さて、今回の記事は……久しぶりに旅行記です! 2023年7月1日(土)~4日(火)に妻と2人で福岡・佐賀旅行に行ってきましたので、それを書こうと思います。

いや~昨年10月末の山口旅行以来旅行してなかったのでずっと旅行したかったんですよね。ただ、今年に入ってから私の眼科外科手術やら妻の転職活動やらでバタバタしていて行く機会がなかったんですよ。どこかに行きたい!!! というわけでいつも通りJALのどこかにマイルで旅行することにしました。このブログではお馴染みですね。

どこかにマイルとは、行先候補が4つ提示されて、その中でどこかに行くことになる(自分では選べない)代わりに少ないマイル数で往復航空券が手に入るというものです。行く場所は選べないとはいっても行先候補自体は何度も引き直せるので、行きたいと思える4候補が出るまでリセマラすることができます。非常にお得な制度だったのですが、今年の4月から必要マイル数が1人6,000マイル→7,000マイルに改悪されてしまいました(それでもお得ですが)。多分コロナ禍とかでJALも経営が苦しいのでしょう。

www.jal.co.jp

さて、今回の4候補は石垣・那覇・福岡・高松でした。ワンチャン石垣・那覇が当たらないかな……と思ってはいましたが、福岡・高松も行ったことがないので、どこでもいいなあと思っていました。結果は……福岡! 前回の山口旅行の時も石垣・那覇・山口・徳島の4択で山口が当たったので、石垣・那覇は釣り(死語)感が半端ないですね。まあ、石垣は9月下旬に夏季休暇にどこかにマイル以外で行くことを期待しましょう……

さあ、行先も決まったところで、旅をしていきましょう!

 

1日目(7/1)

さて、今回の行きの飛行機は羽田14時発なのでかなり余裕があります(早い飛行機だと朝が辛いことを学びました)。カフェでゆったりモーニングとしゃれこみましょう。今回行ったのは芝大門エリアにある珈琲社中というお店です。

珈琲社中。メイン通りから少し入った路地の中にあります。

カフェ巡りが趣味とは言っても用事がないと芝大門エリアまでは行かないので、こういう機会に行っておきます。大門駅から徒歩数分という立地で羽田空港にアクセスしやすいので、やはりスーツケースをガラガラした外国人が多かったですね。

店に入り、モーニングセットを注文します。

サンドトースト・コーヒー・ミニサラダセット(800円)。

サンドトーストが両面焼きになっており、サクッとしていて美味しかったです。コーヒーの味もなんだか深みがある気がします(コーヒーの味が分からない人間ですが)。カフェオレも注文しているのですが、よくある甘い感じのやつではなく、結構コーヒーの苦みが強めであまり飲んだことがない味がしました。深い!

モーニングを楽しんだら羽田に移動し、いつも通りゴールドカードで空港ラウンジの無料(乞食)利用をします。今回使ったのは POWER LOUNGE CENTRAL という空港ラウンジで、保安検査場の前にあります。保安検査場の中にある NORTH と SOUTH は利用したことがあるのですが、CENTRAL は初利用です。

POWER LOUNGE CENTRAL

感想としては、くつろぐ分には問題ないのですが、保安検査場中の NORTH と SOUTH の方が良いなあと思いました。理由としては、

・保安検査場の外にある為に時間ギリギリまで寛ぐことができない。

・滑走路や航空機の様子が見られない(別に航空機オタクではないけど見るとテンションが上がる)。

という2点です。まあこれで POWER LOUNGE を全制覇したはずなので行っておいて良かったと思います(コレクター)。

モーニングを食べたばかりだし、ちゃんとしたご飯は福岡でガッツリ食べたいので、お昼ご飯は本当に軽く済ませます(1人前のご飯を2人でシェアしました)、保安検査場を通り、航空機の中へ……

航空機入口。class J というのはファーストクラスと普通席の間のランクです。

上級国民がよお!!! 露骨な選民に震えつつ、すごすごと右に曲がり普通背に向かいます。資本主義社会ではお金を払った方が偉いので、一銭も払ってないどこかにマイル搭乗の私たちに文句を言う権利はありません。

航空機はいつものボーイング社製ではなく、エアバス社製でした。普通席の座席数は1列9シート(3シート×3)もあります。流石羽田ー福岡というハブ空港同士の路線を飛ぶ航空機だといったところでしょうか。

結構揺れながら1時間45分ほどで福岡空港へと着陸。この日は山口県に線状降水帯発生情報が発表されていて、午前くらいまで九州北部(山口県含む)を中心に大雨になっており、そういう気象状況だった為航空機も揺れやすかったのです。

福岡空港は空港から外に出るとすぐ市街地があるような立地にあり、噂には聞いていましたが本当に良い立地にあるのだなと思いました。今まで数多くの空港に行きましたが、ここまで市街地に近い空港は始めてです。どことは言いませんが、我らが千葉県にあるどっかの空港も見習って欲しいものだと思います。

航空機の揺れで軽く酔ったので、酔いさましがてら空港内を散歩します。福岡空港は全体的に整備されていて、羽田空港に匹敵するレベルで綺麗な印象です。

福岡空港展望デッキ。空港の展望デッキって綺麗で好き。

レストラン「ソラガミエ-ル」。ツイのオタク波のネーミングセンスです。

視覚障碍者に優しいトイレ。近くに立つと場所の案内が音声でなされます。

軽い散歩を終えたら空港線に乗り博多駅へ向かいます。空港からたった2駅で博多駅にアクセスできるのは流石といったところでしょうか。

博多駅

今回は行きの航空機が羽田14時発と遅めだった為、この頃には夕方になっていました。遅めの昼食か早めの夕食か分かりませんが、まずは腹ごなしということで博多駅近くのグルメを探します。Google レビューが6,000件超えで4.7という驚異的な店を発見したので、迷わずそこへ。

流石にこのレビュー件数でサクラはないと思います。

博多といえば? ……そう、もつ鍋ですね! この店では17時まで比較的得なランチセットを提供していた為、ギリギリランチセットを頼むことができました、

もつ鍋。鍋って良い感じの写真を撮るのが難しいです。

本物のもつ鍋だ!!!(お上りさん) 高級店でもなんでもない店なのに非常に美味しいです。やはり Google レビューはかなり信頼できますね。〆にちゃんぽんをキメつつ、この店ではもつ焼きというものを提供しているらしいのでそれも注文します。もつ焼きは(真偽のほどは分かりませんが)博多の新名物らしいです。

もつ焼き。注文すると簡易焼肉機みたいなのが運ばれてきます。

こちらも絶品でした。もつって焼いてもいけるんだな……。大満足で店を出ます。

折角ですし博多の街歩きもしてみたかったので、腹ごなしも兼ねて博多から天神(福岡県の繁華街)に向かって伸びるメインストリートをてくてく歩いていきます。流石博多、道も整備されていますしかなり栄えています。

メインストリートを進み橋を渡ると、怪しい店が立ち並ぶエリアになりました。

メインストリートから見えるような場所に怪しい店の看板が立ち並びます。

ここは中洲というエリアで福岡県の歓楽・風俗街です。中洲という地名の通り川と川の間に隔離されているようなエリアになっています。隔離されているとはいえ、博多・天神間の好立地で、メインストリートから見える位置に堂々と怪しいお店の看板があるわけです。東京ではお目にかかれない光景でとても面白いですね。こういう必要悪的なエリアの扱いも地域によって違うのかもしれません。

そんなこんなで天神までやってきました。天神は東京で言うと渋谷みたいな感じですね。若者の街という感じです。そんな立地だからか、謎にスプラトゥーンとコラボしていました。作中の雰囲気と合っていますね。

スプラトゥーンコラボ天神フォーク。床のインクとか芸が細かいですね。

天神を見て回った後、1日目の宿がある西新(にしじん)駅という駅に向かいます。1日目の宿はここ、ザ・レジデンシャルスイート福岡です。

ザ・レジデンシャルスイート福岡。写真では高級ホテルっぽい!

海の近くに位置しており、立地と名前は何か高級ホテルっぽさがありますが、そんなことありません。土曜宿泊なのにかなり安い・部屋が広くて風呂トイレ別という点でここにしました。小綺麗にはされていますが建物自体は古く、アーケード部分の廊下が雨漏りしていたりするので、最近はあまり客が入らない昭和の遺物的なホテルだと推測します。ただ部屋には特に問題ないので、コスパ的にはかなり良しです。

夕食がかなり早めだった為夜食が欲しくなり、博多ラーメンを食べることに。夜食ラーメンとかヤバそうなこと普段は絶対にしないのですが……旅行中なのでまあ良いでしょう! 折角なので味がある大衆店で食べることにしました。

大衆店の博多ラーメン。何か……味わい深い!

そんなこんなで夜も更けて、1日目終了となりました。

 

2日目(7/2)

朝早くに起床し、ザ・レジデンシャルスイート福岡をチェックアウトします。

西新駅付近は学校が立ち並ぶような閑静なエリアで、キャンパスが綺麗な西南学院や福岡随一の進学校で知られる修猷館高校があります。犬を連れたマダムが朝散歩をしているような、そんなエリアです。

西南学院。赤レンガのようなデザインで統一されており、綺麗なキャンパスです。

ホテルは朝食付きのプランがなかった為、旅行先でもカフェモーニングといきましょう。Google レビューも良さげな珈琲伊藤という店に入ります。

珈琲伊藤。ザ・純喫茶という感じだ(ボキャ貧)。

店内の雰囲気。こういうの好きですよ。

モーニングメニューがフランスパンのサンドイッチとワッフルというやや珍しい感じでした。味もしっかり美味しかったです。

フランスパンのサンドイッチとアイスコーヒー

常連と思しき子供連れがいたり、店内で勉強している方(この日は西南学院で土木系の資格試験があるらしい)がいたり、地域の純喫茶感がとても良かったです。

2日目は海の中道志賀島(しかのしま)方面へ行きます! というわけで電車に揺られ、海ノ中道駅へ。

海ノ中道

たくさん人が降りる! と思ったら、どうやら皆マリンワールド海の中道という水族館に向かうみたいでした。私たちの目的地はこの水族館ではなく、海の中道海浜公園です!

海の中道海浜公園の内部。Windows XP の壁紙かな?

って、海浜公園って名前なのに海が見えないんかい!

そうなのです。海浜公園を名乗っているのに海が見えないのです。ネットで福岡の観光地に挙げられているし、志賀島にも近いし、とりあえず行っとくか! みたいなノリであまり下調べもせずに来たのですが、まさか海が見えないとは……確かに自然豊かで、バラ園をはじめとした花畑があり、散歩にはいいかもしれませんが、観光地感はありません。

これは虚無観光地に来てしまったか? と思っていた時、救世主が現れました。動物の森という名前の海浜公園内にある動物園です!(任天堂の某ゲームを思い出す名前……)

カンガルーの群れ

カンガルーだ!!! 眠いのか暑さにやられているのかは分かりませんが、皆休日のおっさんのように床に寝そべっています。

この動物園の推し(ガバ)ポイントとしては、柵がガバガバで普通に動物たちが柵を乗り越えているところですね。国営で公的資金という名のお金はあるはずなので直せないなんてことはないでしょう。危険っぽい動物がいない為でしょうか?

柵を乗り越えてきたカンガルー。本当に近くにいます。

触れそうなくらい近い距離に動物がいます。衛生の問題とかあるので流石に触りませんが……

クジャク。胴体のコバルトブルーが美しい。

クジャクです。知識としてはありますけど、羽根を広げるとこんなにデカいんですね。実は後ろにもう1羽いるんですが、羽根がデカすぎる(2度目)のでよく見えません。

ヤギ。こいつは食い意地が張ってそう。

餌が欲しくて寄ってきたヤギです。観光客がよく餌を与えたりしているのでしょうか。

フラミンゴ。何故かフラミンゴは異常にたくさんいました。

フラミンゴの大群と看板です。「ぼくは何のために片足で立っているの?」ってフラミンゴ自身が言っていると何か哲学的な問いかけに聞こえますね。「ぼくは何のために生きているの?」って言っている人間みたいなものでしょうか(適当)。

普通に道端を歩く何らかの鳥。種類が分からない……

恐らく普通にガバガバ柵から脱走したと思しき何らかの鳥です。普通に歩行者が歩く道端を歩いています。脱走している為種類がよく分からない!
これで動物の森はおしまいです。虚無観光地に来てしまったか、と思ったのですが、中々面白い体験ができました。あと、自分たちって意外と動物園が好きということにも気が付けました。買う気もないのにペットショップに行ったりしてしまうのは動物が好きだからということもあるんでしょう、きっと。

そのまま海浜公園を通って西戸崎駅(海ノ中道駅の一駅先で終点)まで向かい、志賀島に向かう西鉄バスに乗り込みます(西鉄バスはこの旅行中とてもお世話になります)。ちゃんとICカードが使えるので安心です。

さて、志賀島に着く頃には昼時だった為、志賀島に到着したらすぐに昼食にします。日本海側の(一応)島ということでご飯は当然海鮮系! です。今回はバス停近くのお食事処をチョイス。

お食事処しま。地元の食事処といった風情の外見をしています。

刺身定食

海鮮丼定食

海鮮を楽しんでいて思ったんですが、醤油がほんのり甘く、関東のしょっぱい醤油とは異なります。何故甘いのかと思ってググってみると、こっちの方では大陸からの輸入やサトウキビの栽培で砂糖が手に入りやすかった為にこの味が慣れ親しまれている、というのが定説のようです。はぇ~(無知)。

ご飯を美味しく食べ終え、志賀島をてくてく歩いていると……

ほどほど農園①。手書きの文字が味わい深いです。

何だこのガバスポット!? どうやら味わいスポットを見つけてしまったようです。ほどほど農園という名前! 営業時間適当! 不定休! 早くこれになりたい。

ほどほど農園②。ジャムは売り切れているそうです(写真右の方)。

あまりにも味わい深いので凸ってみました。中は初老のおじいさんがまったりとしており、こちらに気付くと穏やかに出迎えてくれました。上画像の通りジャムが売り切れている為実質自家製のアイス屋さんです。1つ食べていくことにします。

ほどほど農園なので席もほどほどといったところです。

白苺あまおうアイス。手書き文字が味わい深い。

こちらもほどほど農園の食事席らしいです。

新幹線・スゴイ・カタイ・アイス並に硬かったですが暑さですぐに柔らかくなってきました。蒸し暑い中で食べるアイスで生き返ります。

いや~本当味わい深いスポットでしたね。私たち以外に客はなく、後述の金印公園に行って帰ってきたときに覗いてみても相変わらずおじいちゃんはのんびりしていました。もう完全に趣味の店ですね。人生の答えがここにあるのかもしれません。ここが志賀島一の観光スポットと言っても過言ではないしょう(失礼)。

ほどほど農園のインパクトに色々と持って行かれてしまいましたが、ちゃんと観光もします。ここ志賀島は金印が出土した場所として有名です。小学校か中学校で習う、後漢光武帝から贈られたアレですね。そのことを記念した公園がここ志賀島にはあります。

というわけで金印公園にやってきました。

金印公園。金印出土の記念碑が目印です。

金印公園といってもただの公園なのであまり観光地感はありません。斜面に沿うようにあるので結構高低差がありますが、スロープのみで全部回れるようになっている為、バリアフリーと言えなくもありません。

スロープを登っていくと展望台的なところに着きました。志賀島から南向けの斜面なので九州本土が見えています。

金印公園内の展望台的なところ。

写真の右の方に見えているちっこい展示物が金印のレプリカ(原寸大)です。何か……思ったよりも小さいですね。もっとこう、朝廷の力を示す為に大きくズッシリとしたものだと思っていました。ただ実用上そんなデカい印鑑は使いづらいのでこのくらいの大きさがちょうど良いのでしょう。

金印のレプリカ(原寸大)。

展示の説明を読んではぇ~となりながら一通り見て回り、金印公園を後にしました。海沿いを歩きながら再びほどほど農園を通り、島内を散策していきます。

商店街的な道と鳥居。この奥に志賀海神社があります。

九州本土へと通じる橋。こういう風に見るとここは島なんだなという感じがします。

志賀島船着場。金印のマークがデカデカと掲示されています。

行きは陸路で来ましたが帰りは海路で帰ることにしました。移動しつつ船に乗るというアクティビティを楽しめて一石二鳥です。

九州本土への船。イメージに反し、そんなに古くはなさそう。

しかし、肉眼で見えている場所に行く為に船に乗るって桜島のフェリーを思い出しますね。あそこほどインフラ感はないからか24時間運航はしていませんし桜島フェリーほど巨大ではありませんが。

というわけで志賀島を後にします、

去り際の志賀島。これを見ると何となく地形の感じが分かります。

海の中道付近を経由して、30分ほどで九州本土に到着しました。そのまま博多行きのバスに乗って博多駅へ。

次の目的地は……佐賀です! はなわとかゾンビランドサガとかのあの佐賀ですね。博多駅から佐賀駅は在来線で行くと結構時間がかかるので何らかの特急をを使いたいところです。佐賀駅は新幹線が通ってない(通っているのは近くの新鳥栖駅)ので乗換不要な特急かもめで向かいます。

特急かもめの車内には自由席ながらボックス席があり、ここがレトロで良い感じです。課金する価値はあると思います。

ボックス席。結構快適空間です。

というわけで佐賀駅にやってきました。

佐賀駅

新幹線も通っていないですし博多駅より小規模な感じです。ただ、日曜ということもあり、地元民と思しき人はそれなりにいました。

今日の宿はサガシティホテルというよくある感じのビジネスホテルです。じゃらんに「ごめん古さは否めないけどセールしてるから許して」的なことが正直に書いてあり、実際値段もかなり安めだったので好感が持てました。

佐賀県は全国旅行支援の予算が余っているようで、まだ全国旅行支援をやっています。予算配分のミスなのか佐賀県が不人気なのかは分かりませんが、全国旅行支援の割引・クーポンの恩恵も享受しています。サガシティホテルの元の値段の安さも相まって、かなり安くなりました。

荷物を置いて佐賀駅付近を散策します。特に何か特徴があるというわけではありませんが、カラオケがあったり、高田馬場駅前のBBみたいなハコモノ(伝わる人にしか伝わらない)があったりと、地元民が遊びに来るならここなんだろうという感じがしました。

夕食は……全国旅行支援のクーポンを使ってパーッとやろうということになり、佐賀牛の焼肉を食べることにしました!

佐賀牛の焼肉「牛笑」

ウオオ肉を食うぞ肉を食うぞ肉を食うぞ!

佐賀牛、キングオブカルビ。

うまいッ!!!(RNGKさん)

佐賀牛の定義は『黒毛和牛であり』、『佐賀県内農家が飼育した牛であり』、『肉質が一定ランク以上である』ものだそうです。佐賀県の牛というだけでは佐賀牛と呼べないのですね。そりゃ美味いはずだわ。

ほぼ全ての部位をいただきました。切り落としとかですら美味しかったです。

手前が切り落とし。切り落としでも雑に切られた感じのアレではありません。

〆に佐賀牛すじカレーなども頼み、大満足で外に出ます。

焼肉を食べたらアイスも食べたくなっちゃった(子供)ので、地元のスーパーでご当地っぽいアイスを買います。このスーパー、未だにゾンビランドサガの商品が並んだりしていました。な……懐かしい……。多分これに代わるアニメがないと永遠に擦ってそうな感じがします。

ホテルでご当地っぽいアイスを食します。

アイスと COSTA COFFEE(サガシティホテル1Fにサーバーがあります)

お腹が落ち着いたら大浴場に行ったりして、1日の疲れを癒します。このサガシティホテル、部屋もよく手入れをされている感じがしますし、大浴場に関しては寧ろとても綺麗だったので、リノベ物件という感じがしますね。かなりコスパが良いと思うので、佐賀に宿泊するならここでしょう(謎の宣伝)。

というわけで2日目も終了です。

 

3日目(7/3)

サガシティホテルは朝食付きのプランにしましたのでまず朝食をば。

サガシティホテルの朝食。

内容はよくあるビジホのビュッフェという感じですが、卵料理を目の前で調理してくれる人が配置されており(高級宿でよくあるアレです)、低価格帯のホテルなのに大丈夫か? となりました。

この日は生憎の空模様。梅雨の九州に来てよくここまで悪天を避けられたなと思いましたが、流石に全部は避けられないようです。レーダーを見て、近くの発達した積乱雲群が通り過ぎるまで部屋で少しゆっくりしてから出ることにしました。

タイミングを見計らって佐賀駅へと向かいます。足元が濡れまくりでしたがこうなることを見越して裸足クロックス(妻はレインブーツ)で来たのであまり気になりませんでした、

佐賀駅に着くと、学生を中心に地元民と思しき人たちが駅に溜まっていました。どうやらこの大雨で電車が止まっているようですね。私たちは電車ではなくバスなので幸いでした。佐賀駅内のお土産屋を見て回りながら、バスの時間を待ちます。

佐賀駅内のバスターミナルは思ったよりシステム化が進んでいました。分かりやすい動線・モニタ類があり、使いやすいように配慮がなされています。観光を強化したいという思惑もあり、ここの電車(JR長崎本線)が頼りないのもあり、バス関係を整備したのかな?

佐賀駅内のバスターミナル

バスに揺られて向かう目的地は……吉野ヶ里歴史公園です!

吉野ヶ里歴史公園入口。

だ~れもいませんね……それもそのはず、今日は月曜で先ほどまで大雨が降っていたような空模様です。こんな時に吉野ヶ里歴史公園に来るのは我々のような異常人間くらいのものでしょう。

歴史公園センターという園内入場口にある施設は(こういうところにしては珍しく)綺麗でした。コインロッカー(返却式)に荷物を預けてから入場の手続きをします。当然のように、私たち以外の観光客はおらず、受付含む関係者のおばちゃんが何人かいるくらいです。入場手続きをすると、雨を心配した受付のおばちゃんがしっかりとした傘を貸してくれました。優しい。

入場手続きを済ませると、暇そうにしている手動改札のおばちゃんに切符を見せ、中に進んでいきます。

南のムラエリア

タイムスリップしてしまったか!? いや舗装されている道があるんだから現代やろというツッコミはされおき、他の観光客の姿もありませんし、土地がだだっ広いから外の音もあんまり聞こえてこないので、異世界転生してしまったような不思議な感覚があります。

高床式倉庫と住居

これは……高床式倉庫だ!!! 高床式倉庫はこの園内で無限に見ることになります。

ところで、今いるこの辺は南のムラというエリアです。どうやらこういう高床式倉庫やら住居やらは適当にそれっぽく配置しているわけではなく、吉野ケ里遺跡の発掘調査の結果をもとに建物の配置等を再現しているとのこと。予想以上にガチですね。で、実際の吉野ケ里遺跡にあった南の方の集落をここでは南のムラエリアと呼称しています。はぇ~(無教養リアクション)。

この南のムラエリアを散策している内に晴れてきました。朝、ホテルで行った天気の判断が正しかったようで良かったです。おかげで、綺麗な吉野ケ里の風景の写真が撮れました。現代っぽい物もほとんど映り込んでいないので"""浸れる"""感じになっています。

空の晴れ間と南のムラ①

空の晴れ間と南のムラ②

因みにですが、風景の後ろの方の山にかかっている雲は層雲という雲です。かなり低いところにできる雲で、雨上がりの時とかによく見られます。雲海などとも呼ばれますね。何か芸術的(ONDISK)…

吉野ケ里歴史公園と層雲の雲海

なお、建造物は外から眺めるだけではなく、中を見ることもできる建造物もあります。

この高床式倉庫は階段から中に入れます。

車椅子でも中に入れるようです。バリアフリーですね。

南のムラエリアを抜け、お次は南内郭というエリアに入ります。ここは吉野ケ里の政治を取り仕切る「大人(たいじん)」や「王」といった所謂上級国民が住むところのようです。偉い人たちが住むところなので柵に囲まれており、入口の両脇に建つ見張り台から兵士たちが外を見張れるようになっています。

南内郭エリア入口

見張り台には登ることができ、周りの風景が一望できます。この南内郭エリアの中でも更に柵に囲まれたエリアがあり、そこが「王」の住む居住エリアです。

見張り台からの風景

因みに、ここでは夫と妻は同じ家に一緒に住まず、別々に暮らしていたようです。家が全部ワンルームなので手狭だったのか、男と女が一緒に住むなんて! みたいな文化があったせいなのかはよく分かりません。

「大人」の妻の家の説明文

ネットに染まってしまっているせいで「妊娠の儀礼」という言葉に笑ってしまうのは私だけでしょうか?

南内郭を一通り見て回った後、北内郭へと移動します。

北内郭入口

南内郭が偉い人たちの住む場所なら、北内郭は偉い人たちの祭祀儀礼といった当時の政治を執り行う場所になっており、神聖な場所とされていたようです。柵に囲まれているのは南内郭と同じですが、北内郭では加えて外から中の様子が見えないような造りになっています。

北内郭の中でも最も神聖な場所とされたのがここ主祭殿です。16本の柱により支えられており、ここ吉野ケ里遺跡の中でも最もしっかりとした造りの建造物になっています。当時の建築技術の結晶といったところでしょうか。

主祭殿

主祭殿の中はこんな感じ。人形を使って、当時の様子が再現されているようです。

主祭殿内部

説明用映像によると、米の刈り取り時期などの重要な事柄を決定する場所であり、巫女が神のお告げを聞いて王を伝え、それを元に王が重要な決定を下すのだとか。非常にワンマンでトップダウン的な体制ですが神には逆らえないのでしょう。実際は王と大人たちによる議論があったのかもしれませんが。

なお、この部屋の一つ上の部屋に巫女が神のお告げを聞く部屋があります。ここでいう巫女は司祭職の中でも最も偉い最高司祭を指します。こんな大昔から女性が政治的に非常に重要な職に就いているのは凄いですね(ポリコレ脳)。

余談ですが、最高司祭たる巫女の住居(+そのお付きの人)の住居だけはここ北内郭にあります。巫女の家は高床式倉庫ならぬ高床住居です。これは、神聖な職ゆえに普段は人前に姿を現さないようにする為だそうです。

高床住居(最高司祭=巫女の住居)

北内郭より北側には墳丘墓があり、亡くなった王の眠るの墓となっています。祖先の霊への畏敬の念から信仰が生まれ、吉野ケ里遺跡の北側は全体的に神聖な場所となっているんですね。吉野ケ里遺跡の時代より後になると、日本全体を束ねる政権が誕生し、大王の古墳の時代に繋がっていくわけです。

さて、一通り見て回り終えたので、園内バスで吉野ケ里歴史公園入口に戻ります。時刻は昼過ぎ、場所的に公園内レストラン以外の昼食の選択肢はないので、ここで食べていきます。

古代米と古代貝汁の定食

メニューは一応それっぽくなっており、米は古代米、貝は古代貝だそうです。貝汁には異常な量の貝が入っており、食べていく内に貝塚ができました。こうやって貝塚を作りながら食べるというのも古代要素なんでしょうか?(深読みオタク) 備え付けの羊羹は砂糖で外側をコーティングされており、カリカリで美味しかったです。

ざっとお土産を眺めたら吉野ケ里歴史公園を後にして、まず久留米駅に向かいます。

久留米駅。東京の東久留米には縁があったので、何か感慨深い。

そこから電車で大宰府駅へ。因みにですが、このバス→電車の移動の間ほとんど寝ていました。長い長い徒歩(かち)により疲労が溜まっていたのです。

というわけで寝てたら大宰府駅にワープしていました。

大宰府駅のホーム

福岡随一の観光地ということもあり、駅のデザインからかなり気合が入っています。外観はこんな感じ。

大宰府駅外観

駅から太宰府天満宮に向かう道は、両側に食べ物屋やお土産屋が軒を連ねる観光客向け商店街になっています。京都とかによくある形式ですね。でもこういう雰囲気好きですよ。

観光客向け商店街

観光客向け商店街の中には大宰府とまったくカスりもしていないと思しき店もチラホラ見られます。大便乗商法ですね。

大宰府のすみっコぐらしの店(何で???)

そして大宰府天満宮へと入っていきます。

太宰府天満宮入口

境内は非常に良く整備されており、力ある神社ということを感じさせます。さぞかし夜の境内はロマンチックなんでしょう(伝わりそうで伝わらないネタ)。

太宰府天満宮境内①

太宰府天満宮境内②

本殿が今改修工事中のようで、今は仮殿に参拝する形式になっていました。その点は少々残念でしたが、仮殿は屋根の上に樹木が生えているという非常に奇抜なデザインになっており面白かったです。

太宰府天満宮仮殿

何でも、高名な建築家が天神の杜との調和を重視した何とかでこのようなデザインになっているようです。デザイン的には良いのでしょうけど、建築物的には大丈夫なんでしょうか? 素人なので分かりませんが……

学問の神様を祀る神社なので、研究が上手くいきますようにと願い、仮殿への参拝を済ませます。

境内を散歩していると、何やらガバスポットっぽい気配が……

だざいふ遊園地の看板

だざいふ遊園地!? 行ってみたい! と思ってウキウキで向かってみましたが、休園しているようでした。仕方がないので入口だけパシャリと写真を撮りましたが、何だか物寂しけ雰囲気が漂っています。開園時は活気があるんでしょうか? 境内にこれを何故作ろうと思ったのかは謎です。

ださいふ遊園地入口

大宰府での用事が済んだら、福岡空港からほど近いホテルまで移動します。3日間の疲れが出て……もう完全に疲れ果ててしまいました(おじさん)。

さて、夕食は(旅行中の)最後の晩餐なわけですが、折角なのでまだ食べてない福岡・佐賀のグルメを回収しておきます。それは……明太子とシシリアンライス(佐賀の郷土料理)です! 明太子は、明太子重としていただきます。

色々と回収する為の夕食。

どれも美味しかったです。(旅行前は聞いたことありませんでしたが)シシリアンライスB級グルメ感があって僕は好きです。

ホテルでの夜は更けていき、3日目も終了となりました。

 

4日目(7/4)

おはようございま……疲れた!!!(おじさん)

帰りの航空機は12時福岡空港発なので本日は帰るだけです。ホテルで簡単な朝食を済ませたら、福岡空港に向かいます。

ホテルでの簡単な朝食

福岡空港でお土産等を一通り見た後は、空の旅の楽しみの一つである空港ラウンジへと向かいます。福岡空港のラウンジはここ、「ラウンジTIME」ですね。

福岡空港ラウンジ「ラウンジTIME」

お~ええやん。ハブ空港だけあってラウンジも広々としており、雰囲気も良い感じです。残念ながらあまりご当地感があるものは置いていませんでしたが、飛行機の待ち時間も優雅に過ごすことができました。

そうして福岡から飛び立ち、羽田へと帰って参りました。

 

いかがでしたか?(クソブログ構文)

何か梅雨の九州に行った割には上手いこと悪天をスレスレで回避できたので良かったんじゃないでしょうか。九州は東シナ海に面している都合上、梅雨期に大雨が降りやすい土地であり、毎年のように大雨による災害が発生している中(この前も大雨特別警報が発表されていましたよね)、そのような大雨に出くわさないで良かったです。

いや~しかし本当に楽しかったですね! 冒頭にも書いた通り久々の旅行だったので、旅って良いものだなあということを思い出させてくれる、そんな旅行でした。

次回は、9月下旬に夏季休暇を取る予定ですので、(冒頭にも書きましたが)石垣島にでも行きたいですね。旅先は変わるかもしれませんが、どこかには行くと思います。そうやって次の旅への期待を胸に秘めつつ、労働と日々に戻っていくのです。

それではまた!

2023年4月~5月上旬の日記 ~ 2つの記念日と救急搬送

tkです。GWも半ばといったところですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。4月で新しい環境に身を置くことになった方もいると思いますが、そろそろ落ち着いてきた頃でしょうか。

今回もオムニバス形式の日記です。タイトルに不穏な文字がありますが、これについては後述します。

 

さて、Twitter で呟いたのですが、先日2023年4月17日は妻と出会って10周年の記念日でした。普段は出会った記念日までは祝ってないのですが、10周年ということで、ささやかにお祝いしました。

1枚目の写真は趣味であるカフェモーニングですね。このカフェは店舗をリニューアルしたということで店内が綺麗になっていましたが、どこか懐かしいレトロな雰囲気は失われていませんでした。

カフェ店内。平日朝ということで客も少なく静かでした。

実はこのカフェ、昨年の結婚記念日の時にクソデカパフェを頼んだ店なのですが(2022年5月11日の記事を参照)、物価高の煽りかリニューアルによる経営合理化か、クソデカパフェはメニューからなくなっていました。残念。追悼の意を込めて、写真を載せておきます。

昨年の結婚記念日に食べたクソデカパフェ。今はもう食べられない……

2枚目の写真は……見れば分かりますが、庭園です。実はこういった庭園を散歩するのも好きなんですよね(年寄り臭いですが)。都会のど真ん中に区営の庭園がどーんと広がっており、入場も無料です。

庭園の写真。Twitter に載せた写真とは逆側から撮影してます。

こうした緑の中に身を置いていると、時間がゆったりと流れる気がします。普段忙しい現代社会を生きているからこそ、こういった時間は大切にしたいものです。

なお、庭園にいるとき、フォトウェディングを撮影していると思しき夫婦にも出会いました。この庭園は某大学の近くなので、その大学の卒業生だろうなあとか思いました。

3枚目の写真は母校である某大学の新しい建物です(調べればすぐに分かりそうですが一応某大学としています)。私たちが大学生だった時にはなかった建物ですね。

THE・現代の建物という雰囲気で、この建物を建てたのは某大学にしては中々革新的な試みなのではないでしょうか。しかしこの建物、革新的というだけではなく、大学構内の緑と調和しており、上手く共存している印象を受けました。

建物の中はこんな感じ。中々気持ちの良い空間になっています。

某大学の新しい建物の中。1階にタリーズが入っています。

一通り大学構内を散歩した後、3限が始まるくらいの時間になったので学食に行って昼食にします(お昼休みの時間帯は死ぬほど混んでました)。気分は学生です。

ランチ。値段は(忘れてしまいましたが)確か500円弱だったと思います。

味はまあ値段相応といったところ。学生時代はケミカルラーメンだ何だと馬鹿にしていた学食ですが、この物価高の時代に300~500円のランチを提供しているのは立派だと思います。想像ですが、大学の予算が赤字分を補填していたりするのでしょう。

それから、ツイートの写真には載せていませんが、この日にオカムラというワークチェアで有名なメーカーのショールームに行ってきました。私はオカムラのシルフィーを愛用しているのですが、妻もオカムラのワークチェアの座り心地にハマり、2脚目のワークチェアが欲しくなったのですね。

千代田区の一等地に広々とした面積でショールームをやっているのは流石オカムラ。ワークチェアだけでなく、病院の待合室や研究所などを模した空間があり、様々なオフィスの形を提案しているようでした。別に私たちは法人客ではありませんが、見てるだけでも楽しいです。

肝心のワークチェアですが、コスパ重視でフルーエントにすることに決めました。コンテッサなんてとても手が出せないし、コーラルとかも良いなあと思ったんですけどやっぱりお高いんですよね(貧民)。フルーエントはアンクルチルトリクライニングや異硬度クッションといったオカムラのワークチェアならではの特徴を搭載しつつ値段が抑えられたコンパクトでハイコスパなモデルになっています。既に注文したので、届くのが楽しみです。

↑の Twitter の投稿の話に戻りますが、4枚目の写真は池袋のコウペンちゃんダイナーというお店の写真です。所謂コラボカフェですが、ちゃんとご飯らしいご飯も出てきます。因みに、映っているぬいぐるみは店内の備品です。

店内はこんな感じ。

コウペンちゃんダイナー店内。所狭しとコウペンちゃんグッズが並びます。

Twitter 投稿に映っている写真の料理はバーガーセットとガーリックライス・ステーキセット(注文するメニューは事前に決めていった)、なんとそれぞれ1,870円もします。コラボカフェ特有の暴利ですね。普通のお店で食べたら1,000円くらいで食べられそう。

ただ、この手のコラボカフェにしては味は結構本格的で、美味しかったです。(写真では表現し切れていませんが)店内の飾り付けも細部まで凝っている印象を受けました。

追加で食後のデザートとコーヒーを注文します。

デザートとコーヒー。コーヒーですがクリームたっぷり(コウペンちゃんなので)。

スプーンにのっているのはコウペンちゃん型の砂糖です。コーヒーに浮かべたりして楽しめるかな~とか思ったのですが、入れたらすぐに溶けて行ってしまい悲しかったです(砂糖なのでそれはそう)。

こちらもそれぞれ1,000円以上しますが味は美味しく、コウペンちゃん型砂糖など中々凝ってるなと思いました。

平日の夜の早い時間に入店して、私たちが食べ終わる事にはほぼ満席になっていたので、結構成功している部類のコラボカフェなんだと思いました。これだけ暴利にしても(私たち含め)客は来るからこそ、様々なコラボカフェが行われているんだな~と思いました。

 

さて、お次は4年目の結婚記念日です! ……といっても、ツイートにある通り、大したことはしてないのですが。

この日は『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』を観に行きました。毎年映画館にコナン映画を観に行くのが習慣と化しています。職場の福利厚生の一環として、一般料金の半額以下で映画が観られるのがありがたいところですね。

作品の感想とかはネタバレを気にして何も言えないんですが、とても面白かったです(クソレビュー)。コナン映画史上最高傑作と評する人が多いのも何か分かる気がします。今回、試写会の段階で一部界隈が炎上(?)していたらしいですが、そんなものを吹き飛ばすエネルギーを感じましたね。コナン特有のツッコミどころも多々ありましたが、そういうのも含めて楽しめる作品なんだと思います。

コナン映画を観た以外はちょっと良い食事をしたというくらいです。スーパーで100g700円以上もする黒毛和牛を買いました。100g700円以上って普段は絶対に買えない部類のお肉ですよね。とても美味しかったです(クソレビュー)。

 

――― 以下、救急搬送された話です。少し汚い描写を含みます。 ―――

 

「流れ変わったな」と感じられるかもしれませんが、ここから救急搬送されたお話を書きます。

5/2(火)、事の始まりは起床時です。過呼吸気味の状態で眼を覚ましました。呼吸以外の体調も全体的におかしく、歩いて移動するのもままならないような状態です。5/1(月)の寝る前は元気だったし、睡眠時間は十分確保してるのに、おかしいなあと思いつつもう一眠りしました。

それで呼吸自体は通常のものになったのですが、相変わらず起き上がっているのが辛く、食欲も沸きません。何かが胃に詰まっているような感じもします。朝のルーティーンである目薬(5本を5分間隔で点眼しないといけないので最低20分かかる)と朝食(ヨーグルト)を何とか済ませると、胃や食堂から食べ物が逆流しないように枕を高くして横になります。

しばらくして、腹痛と猛烈な下痢が始まりました。最後の方はもはや下痢というレベルではありません。ほとんど液体です。所謂水様便というやつで、(真面目な話)うんち学的には最悪レベルのうんちの一種とされています。

こんな状態で固形物が何も食べられそうにないので、昼食は摂れず、スポーツドリンクで代用しました。

そこからまたずーっと横になって過ごしたのですが、夕食時になっても何も食べられそうになく、スポーツドリンクを飲んでいたのですが、ある時、スポーツドリンクを飲んでから数十秒後に「あ、これ吐きそうだな」という感覚があり、急いで百均の桶(嘔吐物用)を手に取り、その週十秒後に嘔吐しました。

嘔吐している時は苦しいですが、こういう時って嘔吐が終わると不思議と楽になるものです。嘔吐物は、ほとんどが水と胃液で構成されているであろうサラサラの液体で、固形物は(昨夜食べた)人参やキノコの細かい断片が僅かにあるのみでした。今日固形物を口にしてないから綺麗な嘔吐物だな、とか、食物繊維は消化されるのに時間がかかるという知識と合致してるな、とか、そういったことを冷静に考えたのを覚えています。

その後、夜のルーティーンである目薬(6本を5分間隔で点眼しないといけないので最低25分かかる)を何とかやっていると、また同じように嘔吐の気配を感じた為急いで準備し、その数十秒後に嘔吐(2回目)しました。1回目の嘔吐の後に水を普通に飲んでしまったのがこの嘔吐の一因になったのかなと思います。

嘔吐後、目薬は何とか終わらせましたが、何かを口にすると嘔吐するので口に入れることができず、水分も栄養も摂れず、身体が弱っていきました。顔色がかなり悪かった為、妻が救急車を呼ぶ決断をし、119番に通報しました。

妻の話によると、通報して10分程度で来てくれたようで、流石と言わざるを得ません。私は担架に乗せられ、妻は同伴者の椅子で、質問を受けながら救急車で近くの病院に向かいます。病院では、まず点滴・採血の注射を行い(針が太い!)、その後CT・レントゲン検査を行うという流れでした。勿論、私は担架の上に寝かされたまま事が運びます。

当直医と思しき若い男性の検査後の話によると、どうやら細菌性腸炎とのことで、腸が炎症でいたるところがむくんでしまっており、胃から腸への流れが悪く、結果胃から逆流して嘔吐している……とのことでした。胃が原因ではなかったのですね。脱水等の症状もあるが、入院するほどのものではないとのことで、自宅療養で様子を見ることに。整腸薬と抗生物質が処方され、飲み物はごく少量ずつを飲むようにと指導を受けました。

私が救急搬送されて一番驚いたのは点滴の力です。当直医との話が終わる頃になると、搬送前と比べて体力・気力共にかなり回復していました。病院から自宅への帰り道(徒歩20分程度)を徒歩で帰れたほどです。病院で行った治療といえば点滴のみですので、これは点滴で体内に直接栄養を入れたことによるものと思われます。点滴って凄いなと思うと共に、体内の栄養の大切さを実感させられます。

因みに、緊急搬送にかかった料金は約1万6,000円ほどでした。深夜に救急で搬送されたり(検査費がお高い)CTを撮ったりしている割には安く済んだな~という感じです。

翌日5/3(水)、この日は固形物を一切口にせず、栄養はスポーツドリンクやジュースをちびちび飲むことで補給しました。普段は糖質が多いから・砂糖がドバドバ入ってるからという理由で毛嫌いしている清涼飲料水ですが、こういう時は便利ですね。

合わせて、経口補水液 OS-1 も飲みます。味はしょっぱくてあんま美味しくないスポーツドリンクといった感じです。栄養表示を見ると、100ml あたりのカロリーがポカリスエットが25kcal、OS-1 は 10kcal と、ポカリに比べて低カロリーでした。経口補水液という商品の性質上、あまり味を美味しくする必要はなく、使っている砂糖の量が少ないと考えられます。

整腸薬と抗生物質もしっかり服用します(空腹時にも服用可)。下痢はまだ続いていますが、体調は明らかに前日より良く、回復に向かっているのが実感できました。

そして本日5/4(木)、ここまでくるとかなり回復して、朝食に卵粥、昼食にうどんを食べました。久しぶりのまともで温かな食事です。ちょっと感動しました。

 

こういう細菌性の病気って怖いんだな、ということが実感できた一幕でした。人類の歴史を紐解くと、長い歴史の中で、感染症やこうした細菌性の病気が多くの人類を殺してきました。今は華やかなイメージがあるヨーロッパも、中世は汚物まみれだった……という有名な話もありますし、昔の公衆衛生のレベルなんてそんなものなんですね。現代の清潔な環境に生きていることに感謝です。

しかし……本当、何で細菌性腸炎になったんでしょうね。ウチの家庭は何かを生で食べることをあまりしない家庭で、卵とかも基本生で食べないようにしてるので、何から感染したのかさっぱり分かりません。

 

この一連の騒動のせいで、友人と会う予定や実家に帰省する予定がキャンセルとなってしまいました。まぁ……命あることに感謝することとしましょう、という感じで締め、筆を置くことにします。

2023年度始まる

tkです。新年度が始まりましたね。桜が咲いているのを見ると何だかしみじみとします(この記事執筆時にはもう散ってしまっていますが)。

今回の記事は「新年度だし頑張ろう!」みたいな意識高い的なアレではなく、ただの日記です。テーマは特に決まっておらずオムニバス形式的に書いていこうかと。

 

眼のその後の経過について

今までの記事でも書いている通り、今年2月に眼の手術・入院をしました。3月上旬に経過は順調という記事を書きましたが、その語も経過としては順調です。

ただ、3月下旬~4月上旬くらいから小さい文字や細い文字が見辛くなりまして、眼科に行ったところ乱視がちょっと強くなっているとの説明でした。

乱視というのは角膜の形の歪みです(より正確には角膜乱視)。乱視を説明できるいい感じのフリー素材画像が見つからなかったので文字だけで説明しますが、本来人間の角膜は正面から見ると円形をしているのが、乱視では角膜が歪んで楕円形になっています。乱視があって角膜が歪むと、ピントが合い辛く、見え辛くなります。

ただ、乱視があるから即見え辛くなるというわけではありません。ある程度の乱視は眼の水晶体(カメラのレンズ部分に相当)や脳が頑張って見え方を補正してくれます。

例えば、一般に成長途中の子供には強い乱視がありますが、子供は水晶体の補正力も大きい為、見え方に問題は起きないんですね。また、白内障手術済(無水晶体の眼)の方であっても、脳が眼から送られてきた情報を解釈する時にある程度補正してくれるので、弱い乱視であれば問題になりません。

こうして見ると、人間のシステムってよく出来てるなあと思います。歴史的に見て、人間は数百万年間は(当然)眼鏡なしで過ごしてきたわけですから、角膜が少し歪んだくらいでは見辛くなるようにはできていないわけです。

しかし、そうは言っても水晶体・脳による補正は限界があるわけです。現代では眼鏡・コンタクトをした多くの方が近視と一緒に乱視も矯正しています。眼鏡屋やコンタクト屋の言う通りに作っているのであまり意識したことがないという方も多いかもしれませんが。人間の眼にとって、現代がいかに過酷で異常な時代かが分かります。

私の眼(無水晶体眼)も脳が補正できる限界を超えて乱視が強くなってきたわけですね。まあ大手術をしているので、ある程度は仕方ありません。今は、小さい文字や細かい文字を読んだり書いたりするときだけ乱視矯正の眼鏡をかけています。近視もほんの少しだけ矯正していますが、多焦点眼内レンズを入れているので少しの近視矯正で済んでいます。近視矯正が強い眼鏡ほど眼が外からは小さく見える為、眼鏡をかけても眼がほとんど小さく見えないのは嬉しいですね。

とまあ、乱視の話はありますが、経過は順調。外出もできるようになりましたし、仕事にも復帰できています。ほとんどテレワークだとこういう病み上がりの時にとても助かりますね。

ただ、未だに点眼薬(目薬)が多くて多くて……1日4回×3種類+1日2回×2種類+1日1回×1種類というような状態ですね。面倒ですが仕方ありません。続けていきます。

 

2022年度末の打ち上げ

3月末には年度末の打ち上げ+仕事復帰おめでとうということで、妻と高い肉を食べてきました!

上カルビを始めとした高い肉たち。霜が降りてる見た目が美味しそうですよね。

今見ても美味しそうだなって思うワケですが、実際とても美味しかったです。根っからの貧乏人なので普段はこんな高そうな肉は注文できないわけですが、まあたまの機会にはこういうものも食べていきたいものです。

食後には甘いものをということで夜パフェのお店に移動し、パフェも食べました。

夜パフェのお店。パフェはフランス語で「完全なデザート」という意味です(雑学)。

肉を食べたばかりの脂っぽい口にはよく合いました。この夜パフェという概念、あまり聞いたことがなかったのですが、何か流行ってるらしいです。本当に流行っているのか、業界が流行らせようとしているのかはよく分かりませんが……

とまあ、年度末ということでしみじみとしつつ、美味しいものを食べて、楽しく過ごしました。

 

チューリップフェスティバル

4月の天気が良かった日には柏のチューリップ畑に足を運びました。このチューリップ畑がある公園は柏市の公営でなんと入場料が無料なのです。当日はチューリップフェスティバルという催しをやっていたということもあり、多くの人が訪れていました。

柏市のチューリップ畑。

見渡す限り一面のチューリップ! とても綺麗ですし壮観ですよね。

奥には風車も見えます(当然実際に動いてるわけではなくレプリカですが)。一面のチューリップ、青く澄み渡る空、そして風車……非常にカントリー的な雰囲気が漂う、のどかな風景です。僕は田舎は嫌いなんですがこういうカントリー的な雰囲気は好きなんですよね。

風車の近くまで行くとこんな感じ。こちらも良い雰囲気です。こういうの好きなんですよね(2回目)。

風車。近くには東屋と溜池がありました。

このチューリップ畑、当然管理している専用の人がいるものと思いますが、ところどころ「〇〇幼稚園 第△班」みたいな看板があり、幼稚園児が水をやったりもしたのかなと想像します。教育にも良さそうな場所ですね。実際、家族連れも多かったですし。

凄いガチっぽいカメラを持った人も多くいて、パシャパシャやってました。その中の一人でカメラガチ勢と思しき外国人のおばちゃんの真似をして写真を撮ったら良い一枚が撮れまして、Twitter にも載せましたがブログにも載せておきます。

良い1枚(自画自賛)。奥に映っている外国人夫婦は特に関係ありません。

とても良い場所でした。柏市は交通量が多い割には道が整備されておらず無計画な開発がなされた古い街という印象でしたが、少し見直しました(でも柏市内の街中は基本的には嫌いですが……)。

 

例によってオチもなくてアレですが今日はここまで! そろそろ旅行したいのでその内旅行記事を書きたいと思っています(願望)。

2回の眼科手術を終え退院しました

tkです。2月も終わり3月になりました。いくらか春めいてきましたね。

2月は長かったような気もしますし、あっというまだったような気もします。2023年1月22日に書いた前回の記事の通り、私は2月には眼の手術を行っていたのです。

上旬に左眼の手術を行うことは事前に分かっていましたが、急遽右眼の方も手術することになりました。2月上旬に左眼の眼内レンズ摘出・多焦点眼内レンズ・網膜硝子体手術を行い、2月下旬に右眼の眼内レンズ摘出・単焦点眼内レンズ・網膜硝子体手術を行う、といったような具合ですね。2回も手術を行うとなるとかなり慌ただしかった……!

手術は2回とも同じようなもので、違いとしては眼内レンズの種類が多焦点か単焦点かくらいしかありません(まあ、手術費用にはかなりの差が出るのですが……)。

 

手術内容

手術内容については前回の記事で書いた通りです。ごく簡単に言うと5歳の時に行った白内障手術のやり直しになります。

白内障手術というと、今や日帰りで行っているところもあるくらいの簡単な手術と思われる方もいると思いますが、そんなことはありません。眼に切開を入れる外科手術であることには変わりありませんし、手術者の腕によって術後の視え方にかなり差が出るとのことです。特に、多焦点眼内レンズを用いる場合は、単焦点眼内レンズを用いる場合よりも手術の難易度が格段に高く、下手な眼科医で手術をすると10割負担の高い手術代を払ったにも関わらずよく視えない、などという悲劇も起こるようです。

特に、私の場合は単なる白内障手術ではなく、白内障手術のやり直しになります。通常、白内障手術は眼の水晶体の嚢の中に眼内レンズを入れます。しかし、一回白内障手術を行っていたり、何らかの事情で水晶体嚢が使えない人は、眼の強膜(白目の部分)に眼内レンズを直接縫い付ける方法を取ります(これを強膜固定といいます)。

眼の構造について。強膜は白目部分を、(下の方で述べる)瞳孔は眼の中心部を指します。

強膜固定についてはここ十年くらいの間に出てきた新しい手術法であり、素人向けの解説もあまりないので、私も十分理解しているとは言えないのですが、強膜固定は通常の白内障手術より難易度が高く(出来る眼科医が少ない)、患者の身体への負担も大きいようです。

また、一回入れた眼内レンズを摘出するということも難しい手術で、患者の身体への負担が大きくなります。私の場合、20年以上前の手術で入れた古い眼内レンズで、手術の際に眼に入れる切開を少し大きくしないと取り出せないとのことでした。

というわけで、私の手術はかなり重いものでした。2月上旬の手術の際、同じ日に私含め6人の患者が手術を受けましたが、この患者の中で最も重い手術だったそうです。

なお、余談ですが、2月下旬の手術の時は同じ日に私含め8人の患者が手術を受けました。この8人の患者の手術を、当日の診察が終わった17時くらいから1人の眼科外科医が行うのです。スーパードクターって凄い。手術室が2部屋設けられており、1部屋で手術、もう1部屋ではすぐに手術ができるように看護師が準備を進める、といった具合で非常に効率的に進めているようでした。

 

手術当日

手術当日は色々と大変でした。まず、待ち時間が異常に長いです。朝集合して手術が終わったのは夜です。これは、手術に向けて様々な準備が必要だったり、私の手術を行った眼科外科医の診察が終わるのに夕方くらいまでかかるからです。仕方ありません。

手術の準備として、瞳孔を開く点眼薬をこれでもかというほど点眼します。

瞳孔は眼の中に取り入れる光の量を調節しており、暗いところだと開き、明るいところだと閉じます。暗いところから急に明るいところに出ると眩しいと感じますが、それは瞳孔が開いている為に眼の中に入る光量が多いからです。逆もまた然りで、暗いところで次第に眼が慣れてくるのは、瞳孔が徐々に開いて眼の中に入る光量が増えていくからですね。

眼科の診察では眼の中を診るために瞳孔を開く点眼薬を点眼することがあり(これを散瞳といいます)、私は慣れたものですが、手術を行う際はこの瞳孔の開かれ具合(?)が尋常ではありません。瞳孔がガバガバになります。眩しすぎてまともに何かを視ることが難しいほどです。

手術直前になると点滴の注射も打ちます。手術中に点滴から鎮静剤を落とすことが目的です。点滴を打ったことがある人なら分かると思うんですけど、針が太いんですよね。採血の注射の針なんかより全然太いです。私は子供の時から何度も何度も点滴を打った経験があるのですが、それでもやはり痛いものは痛かったです(子供)。

また、眼球が動かないようにする為に眼の下瞼のところに眼球注射を打ちます。眼球に注射されるのは始めての経験でした。思ったよりは痛くありませんでしたが、注射中の異物感が強烈でした。注射をした瞬間から眼球が自分の意思で動かせなくなり、麻酔って凄いなと思いました(小並感)。

手術自体は鎮静剤と麻酔のおかげで辛くありませんでした。いくら眼を弄られようと感覚がありませんし、鎮静剤で意識が朦朧としていたので記憶が大分朧気です。気が付いたら手術が終わっていた、というような感じでした。

 

手術を終えて

手術が終わった直後数日間は毎日検査・診察があり、当然療養も必要なので、病院近くのホテルに(全国旅行支援を使って)宿泊したり、病院に入院したりしました。

手術後暫くは眼の違和感が大きく、ものを視ようとしてもよく視えません。当たり前ですが外出も禁じられています。病院に入院していた時を除き、食事の用意を中心として様々なことで妻の介助を必要としました。妻には本当に感謝しています。

地味にキツかったのは手術後1週間は洗顔・洗髪が駄目で、シャワーも浴びることができないことです。人間誰しもそうだと思いますが、1週間も身体を洗わないと身体中が脂や垢に塗れて周囲には腐臭が漂います。こうなると、人間としての尊厳を踏み躙られたような気さえしてきます。毎日シャワーを浴びて風呂に入ることができる文明人としての生活が、とてもありがたいものに思えてきます。

眼を使えない為、主な娯楽は Amazon の Audible でした。良い機会なので、紙媒体で既に読了済みであるアガサ・クリスティの『スタイルズ荘の怪事件』『アクロイド殺し』『オリエント急行の殺人』『ABC殺人事件』を読み直し(聴き直し?)ました。一人の朗読者が男性の台詞も女性の台詞も朗読するのは最初違和感があったのですがすぐに慣れました。後は実用書やライトノベルなどを色々聴きかじりました。ライトノベルは男性朗読者と女性朗読者が別で、キャラクター毎に非常に巧みな演じ分けがなされていたところが良かったです。

 

そして現在

実はこの記事は裸眼で書いてます。

左眼について、手術前は裸眼視力が0.02程度だったのですが、手術後は0.6程度に改善しました。私は眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が正常な眼よりとても長い為に弱い近視は残ってしまいました(これは手術前から分かっていた)が、かなりの改善ですね。日常生活くらいなら裸眼で送れそうです。眼鏡をかけるにしても、今までのような非常に強い度の眼鏡は必要なく、ちょっと度が入った眼鏡さえかければ1.2程度の矯正視力を得ることができます。

また、多焦点眼内レンズの強みで、遠くだけでなく近くもしっかりとピントが合って視えます。多くの人が勘違いしているのですが、一般に視力と呼ばれるものは5mの距離で測ったものである為、視力が良かったとしても近くの視え方も良いとは限りません。遠視の人や老眼が進んだ高齢者だと視力が良くても近くが良く視えないということが起こり得ます。これと同じで、遠くに焦点がある単焦点眼内レンズを入れると視力としては良くても近くが視えにくくなり、老眼鏡が必要になります。しかし、私は多焦点眼内レンズを入れたおかげで遠くにも近くにも焦点がありますから、近くもピンとが合って視えるのです。

今回の手術を終えても、私が緑内障で失った視神経が生き返ったわけではありませんから、やはり健常者のように視えるわけではありません。相変わらず視野(一度に視える視界の範囲)は健常者のそれより狭いですし、右眼(既に中心視野を失った眼)は手術したとはいってもやはり文字を読むなどのことはできません。

しかし、この手術による改善が大きな改善であることには間違いありません。小さい時から眼鏡をかけて生活するのが当たり前だった私にとって、裸眼で生活できるというのは新しい自分に生まれ変わったような気さえしてきます。色々としんどいことも多かったですが、手術をして本当に良かったです。

手術後1ヶ月程度は生活に制限があり、まだ完全に終わったわけではありませんが、大分落ち着き、こうしてブログも書くことができています。ちゃんと自宅で療養し、病気休暇を取っている仕事に復帰し、友人たちと顔を突き合わせて会えるようになれたらな、と思います。

2023年2月 眼内レンズ摘出、多焦点眼内レンズ、網膜硝子体手術

tkです。2023年2月上旬に眼の手術を行うことになりました。2022年年末の記事に書いたやつですね。

では、どのような手術を行うのか? 私は1回の手術で以下3つの手術を行うことになっています(手術という言葉が多すぎてゲシュタルト崩壊してきますね)。

・眼内レンズ摘出

・多焦点眼内レンズ手術

・網膜硝子体手術

ただ、この3つの言葉を聞いても、このブログを読んでいただいているほとんどの方は意味がよく分からないと思いますし、皆様にも無関係な話では決してないと思いますので、ブログとして書いておこうと思います。

 

モノが見える仕組み

根本的な話ですが、そもそも私たちの眼はどのようにしてモノを見ているのでしょうか。

眼の構造(フリー素材)。角膜と毛様体筋の位置を加筆しました。

眼にやってくる光は、眼の入口である角膜で少しだけ内側に屈折し、水晶体で屈折し、硝子体の中を通って網膜に像を結びます。網膜で得た情報が視神経を通って脳に送られることで「見えている」わけです。

水晶体は毛様体筋という筋肉の働きにより薄くなったり厚くなったりして屈折の度合いが調節されます。中学理科を覚えている方やカメラが趣味の方には、眼の水晶体は凸レンズで、薄くなったり厚くなったりの調節で焦点距離を変えている、といったら分かりやすいでしょうか。この調節のおかげで、近くのモノも遠くのモノも網膜に像を結び、ピントが合って見えます。

近くのモノを見過ぎると眼が疲れるとよく言われるのはこの調節の為です。近くを見る時は毛様体筋が緊張してレンズを厚くしているのですが、他の筋肉と同様に毛様体筋も使いすぎると疲れてしまうのですね。人間はずっと近くを見続けられるようにはデザインされていません(これは人間が進化してきた歴史から考えても当然ですよね)。

水晶体が硬くなったり毛様体筋が衰えたりすることで近くのモノが見辛くなるのが「老眼」です。老眼というと若者には無関係と思われがちですが(老眼という言葉が悪い)、老眼は20代で始まると言われているので、このブログを読んでいるほとんどの方には既に老眼が始まっています。決して無関係ではありません。

 

白内障という病気

水晶体のレンズが白く濁ることで起こるのが白内障です。原理的に、歳を取れば人間は必ず白内障になるようです。なんと80歳以上の100%が白内障という統計があります。これまでの人間の歴史では、多くの方が眼の寿命が来る前に亡くなっていました。それが逆転して、多くの方が生きている内に眼の寿命が来てしまうというわけですね。

白内障手術では、白く濁った水晶体のレンズの代わりに人工的な眼内レンズを入れます。一般的に多く用いられている眼内レンズが単焦点眼内レンズで、普通の凸レンズですから焦点が1つしかありません。焦点が1つしかないので、遠くに焦点があるレンズを入れると近くが見辛く、近くに焦点があるレンズを入れると遠くが見辛くなり、用途に応じて眼鏡が必要になります。水晶体のレンズのようにはいかないわけですね。

これに対して焦点が2つ以上ある眼内レンズが多焦点眼内レンズです。何故焦点が2つ以上あるかというと、レンズに同心円状のギザギザを付けることで光を回折させ、焦点を2つ以上作っているようです(最もポピュラーな回折型多焦点眼内レンズの場合)。その為、裸眼で近くも遠くも見ることができます。

これだけ聞くと何だか凄そうですが、多焦点眼内レンズも万能ではなく、単焦点眼内レンズに劣っている点がいくつかあり、光を回折で分けることによる光量の低下から起こるコントラスト感度の低下、夜間に光がにじんだりぎらついたりして見える現象(ハロー・グレア現象)が挙げられます。また、多くの場合は保険適用外になることもデメリットでしょう。

 

眼内レンズ摘出・多焦点眼内レンズ手術

ここまできてようやく私の手術の話に入れます。私は若年性の白内障で、なんと5歳(!)の時に両目とも白内障手術をしています。この時入れた眼内レンズは単焦点眼内レンズです。当時の日本にはそもそも多焦点眼内レンズなどありませんでした。

つまり、私の眼は物心付いた時から単焦点眼内レンズだったわけです。水晶体のレンズによって連続的に焦点が合って見える世界を生きたことがないんです。当然この時からずっと眼鏡をかけていました。私の人生は眼の苦難の連続といっても過言ではないでしょう……! この野郎醤油瓶…!

さて、5歳の時に入れたこの単焦点眼内レンズ、これでしばらくは良かったのですが、2022年12月下旬にこの眼内レンズが外れかかってきていることが発覚しました。眼内レンズが外れかかっていることで見え方の質の低下や眼内の炎症など良くないことが引き起こされますし、眼内レンズが外れて眼の内に落っこちてしまうと更に大変です。

私を診察した(スーパードクターとされる)眼科外科医曰く、「白内障手術の中でも子供の手術は難しいので超上級者の眼科医以外は手を出すべきではない。見たところ、素人レベルの手術が行われている。」とのことです。この野郎醤油瓶…!(天丼)

そこで、まずこの外れかかっている眼内レンズを摘出します。そして近くも遠くも見やすいように多焦点眼内レンズを入れる手術を行うことになりました。多焦点眼内レンズだと保険適用外で高いのでは? って声が聞こえてきそうですが、そもそも眼内レンズの摘出が保険適用外なので、単焦点眼内レンズを選択しても保険適用外になります。同じ保険適用外なら多焦点眼内レンズを、というわけですね。

 

近視と網膜剥離について

話を眼の一般論に戻します。今や現代人の多くが近視を抱えており、完全に裸眼で生活できる! って人の方が珍しいんじゃないでしょうか。このブログを読んでいる方のほとんどは眼鏡かコンタクトを使用していると思います。

近視の多くは、眼軸長(角膜から網膜までの長さ)が長くなることにより起こります。

近視では眼が前後に膨らむように眼軸長が長くなっています。遠視はその逆。

眼軸長が長い為に眼に入ってきた光が網膜の手前で像を結んでしまい、遠くのモノにピントが合わないのです。眼軸長が長くなる原因には諸説あり、一説では子供の内に紫外線を十分に浴びないと長くなりやすいとされています。そして、一度長くなった眼軸長は短くなりません。一度伸びた人間の身長が縮むことはないようなものです。

この眼軸長が長いと嬉しくないことがいくつもあります。その内の1つが網膜が薄くなってしまうことです。風船をイメージしてもらえば分かりやすいですが、風船は膨らむと厚さが薄くなりますよね。それと同じことが眼にも起きます。

網膜が薄くなると、網膜に部分的に穴が開いて(網膜裂肛)、やがて剥がれます。これが網膜剥離です。剥がれてしまった網膜はもはや網膜としての役割を果たしませんから、その部分の視野が欠けます。モノを見る時に中心的な役割を果たす黄斑まで剥がれると視力が一気に下がり、失明に至ります。これが近視による網膜剥離で、老化によるもの(これは硝子体が関係する)と違って若い人でも発症します。

上で述べたように近視だとリスクが高まる眼疾患ですので、皆様にも無関係の病気とは言えません。また、困ったことに、近視によってリスクが高まる眼疾患は網膜剥離以外にもいっぱいあります。日本人の失明原因の第一位であり、私の生涯の宿敵ともいえる緑内障も、近視によってリスクの高まる眼疾患とされています(私と緑内障については2021年8月14日に書いた記事をご参照ください)。

 

網膜硝子体手術について

再び話を私の眼のことに戻しましょう。

私も例外なく近視であり、それも強度近視です。その為、眼科外科医曰く「かなり網膜がやせている」とのこと。網膜も部分的に剥離してしまっているようです。これを元に戻す(復位させる)のが網膜硝子体手術です。

また、私の場合は、白内障のせいで硝子体が濁る硝子体混濁を起こしています。眼でモノを見る原理からも分かる通り、硝子体が濁っていると眼内を通る光を邪魔してしまう為、見え方の質が悪くなりますし、眼内に異物があるということで炎症を起こします。これも当然良くないことですので、網膜硝子体手術で取り除きます。

 

手術後どうなるか

このような手術を行うわけで、手術の際は当然眼に穴を開けることになります(小さい穴ではありますが)。感染症の危険が伴う為、手術はクリーンルームで行われます。レベルの低い眼科だとクリーンルームではなく普通の部屋で行うというから驚きです。

当然、手術後しばらくは私生活に影響が出ます。まず、手術後は頻繁に検査・診察が求められるのは言うまでもありません。

手術後1週間程度は絶対安静。洗髪・洗顔すらしてはいけません。何と言っても眼に穴を開けているわけですから、水道水が眼に入ってはいけないわけです。所詮、水道水も異物ということですね。

また、手術後3週間程度も基本安静で過ごすことが求められます。眼を酷使することも駄目です。そうはいっても現代の生活を送ること自体が眼の酷使ですから、現代の生活は送れませんね。当然、お仕事もできません。職場には事情を話して、手術以降、2月いっぱいはお休みということになりました。

また、こんな状況で、私だけで日常生活を送ることは困難ですので、妻にも職場に事情を説明してもらい、2月中はテレワークしつつ看病してもらうことになっています。圧倒的感謝。

ということで長い長い冬休みになりますが、眼が使えないとなると……何をして過ごせばいいでしょうね。ベッドで横になって、なおかつ眼を使わない娯楽って Amazon audible くらいしか思いつきません。youtube とかだと再生時間が短いことが多いし、やはり視覚がないと微妙な気がします。何かアイデアがある方は是非教えてください。

 

というわけで手術頑張ります! この記事を読まれた方は是非応援してください(懇願)。

ちなみに、今回の手術は私の人生において5度目の手術になります(今まで、眼を3回、腰を1回手術しました)。多スギィ! 手術(を受ける患者として)のプロといっても差し支えありませんね。

ではでは今回の記事はここまで。見え方の質、あがってくれ~!